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共有物分割請求権とは?権利濫用になる事例も紹介します

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不動産を所有するうえで、何かとトラブルになりがちなのが、持分です。
共有持分者と話し合いができるような良好な関係であれば、問題が発生することはあまり見かけませんが、そうでない場合は注意が必要です。

今回は、共有物分割請求と、それに伴う権利濫用の問題について解説していきます。

この記事は、共有不動産をお持ちの方の役に立てる情報が載ってますので、ぜひご覧ください。

共有物分割請求とは

共有物分割請求とは、他の人と共有している不動産の権利を自分だけの名義にしたかったり、自分の持分を相手に買い取ってもらって、共有状態を解消したいと相手方に申し出ることです。 不動産の所有権を持つ方の権利となります。 原則、申し出を受けた相手方は解消に向けて、協力をする必要があります。

例えば、相続の際、実家を兄弟で取得した場合に兄と弟で半分ずつの名義になったとします。

そこから、弟が実家の持分をすべて自分で持ちたいとなった場合に、兄に対して共有物分割請求をすることができます。

共有物分割請求を受けた兄は、どんな形であれ、共有状態を解消できるように弟に協力する必要があります。

共有物分割請求は事前の協議なく行使することができる権利のため、事前に話し合いができていないとトラブルも多く発生します。

共有物分割請求の方法

それでは、共有物分割請求をした場合の共有状態解消方法を確認していきましょう。

分割方法の種類(判例ベース)

  • 全面的価格賠償
  • 一部価格賠償
  • 現物分割
  • 一部(現物)分割
  • 換価分割
  • 和解

共有物の分割には複数の方法があります。 ここでは不動産の共有物分割請求の際に必要な知識である、「全面的価格賠償」、「一部価格賠償」、「換価分割」、「和解」を掘り下げてみましょう。

全面的価格賠償

シンプルな方法ですが、持分をお金で売却or買い取る方法です。 不動産評価額と持分に応じた価格を査定して、取引をします。

例 3,000万円の土地を兄弟で半分づつ共有していた際に、兄が弟に共有物分割請求を行使し、持分を渡す代わりに1,500万円を請求することができます。

不動産の査定が必要になりますので、信頼できる不動産会社を見つけておきましょう。

一部価格賠償

例えば、不動産を2分の1ずつ相続した場合に、分割後の土地が北向きと南向きだったり、道路に面している間口だったりで、同じ持分でも価値に差が出てしまいます。 その差分をお金で解決する方法です。

例 南側の土地は評価額が2,000万円なのに対し、北側の土地が1,800万円だったら、南側の人が北側の人に100万円払うようなイメージです。

全面的価格賠償と同じく、不動産の査定が必要です。

換価分割

共有不動産を一旦現金化して、お金で上手に分けましょうといった方法です。 お互いの同意が取れていれば、利益を持分ごとに配分するだけなので、スムーズな揉めない方法かもしれません。

ただし、不動産の査定&売却活動が必要であり、ここでひと悶着おきることはしばしばあります。 そうならないためにも、共有持分不動産に強い不動産会社を見つけておきましょう。

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和解

訴訟手続きの中で、当事者同士が落としどころを見つけて解決することを和解と呼びます。 話し合いにより、お互いの利益を尊重しあうことができ、民事が介入しないで済むようになれば、無用なトラブルや損をすることは避けることができます。

権利濫用でトラブルになることも…

冒頭でも述べましたが、共有物分割請求は事前の協議なしで行使をすることができる持分所有者の権利です。

しかし、行き過ぎた権利の主張は権利の濫用(民法1条3項)によって、無効とされる事例もあります。

例えば、共有物分割請求により、居住者の居住が危ぶまれる場合もあります。 共有物分割請求が認められ、権利の移動が認められた際に、すでに居住している人が住む場所を失ってしまう場合は、行き過ぎた主張とみなされ、権利の濫用となる場合があります。

具体例1

判例 東京高判平成25年7月25日(共有物分割請求控訴事件)

父が亡くなり、マンションを母と息子が共同相続した場合に、息子が母親に対して共有物分割請求をした事例です。 息子は母に対して、専門学校に通うための資金を求め共有物分割請求を行使し、1,300万円を請求しました。 この例では、息子の請求に対して、母はそれに応ずる資力がなく、否応なく競売にかけられてしまうことになるのが焦点となりました。 競売になった場合、通常の相場よりも安い価格での売却になってしまうこと&競売後の母親の住む場所が保障されないことが評価され、棄却されています。

競売とは? 裁判所の力によって、所有者の意思とは関係なく売却が進められる不動産売却の方法で、債権者の申し立てに応じて、裁判所が売却する手続きです。 任意売却に比べ、販売価格が下がることがほとんどのため、住宅ローンが払えずに差し押さえとなった物件など、特殊な状況の場合に行われる売却となります。

具体例2

判例 大阪高等裁判所平成17年6月9日判決

妻と夫で不動産を共有していた場合に、夫が妻に対して共有物分割請求を行使し、自らの持分に応じた金額を支払うことを要求した事例です。 夫婦はすでに別居しており、夫が資金に困ったことから、妻に対して共有物分割請求をしました。 この際、妻には持分を買い取るだけの資力がなかったため、共有状態の解消をするためには、競売にかけるしか方法はありません。 しかし、具体例1と同じように、競売にかけられたら売却額も減り、住む場所も失ってしまうため、夫側の共有物分割請求は棄却されました。

事例を見るに、明らかに一方が不利になる請求は権利濫用とみなされ、棄却される可能性があります。

共有物分割請求をする側も借金で首が回らなかったり、学費のために必要だというやむを得ない事情もあります。 そんな場合は、いきなり共有物分割請求をするのではなく、信頼できる不動産会社に相談するのがベストです。

相談すれば、双方に利益があり、トラブルにならない落とし所を見つけてくれるかもしれません。

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まとめ

今回は、共有物分割請求とそれに伴う権利濫用の問題について触れていきました。

今は関係ないという方でも、今後相続などが起きると、自分ごととして降り掛かってきますから、以下は予備知識として備えておきましょう。

  • 共有物分割請求を行使すれば、自分の所有する不動産の持分を解消することができること。(権利濫用とならないよう注意)
  • 不動産持分の共有状態の解消方法は、「全面的価格賠償」、「一部価格賠償」、「換価分割」、「和解」が主な方法であること
  • 問題に直面したときはプロに頼ること

不動産に強い弁護士や共有不動産の取引に強い仲介会社などを知っておくと心強いですね。